アレクサンダー・テクニーク(ここではATと略させていただきます)ってなんでしょう??
「ATって呼吸法でしょ?」
「ATって姿勢が良くなるんでしょ?」
「ATってリラックスして演奏するんでしょ?」
「ATって脱力法でしょ?」
などなど私は人から様々な質問をされてきました。
ATってなんでしょう??
シンプルに説明したいと思います。
アレクサンダーさんが発見したもの
アレクサンダー・テクニークとはシェークスピアの劇の朗誦家であったF.Mアレクサンダーが発見したものです。
彼は舞台の上で声が出せなくなり、病院に行っても「悪いところはどこもないので、少し休むように」医師から言われます。しばらく休みますが、日常生活においては声が出るのに、再び舞台の上に立つとまた声が出せなくなります。でも、身体に異常はありません。
彼は自分で原因を突き止めることにし、観察に観察を積み重ねます。そこで、彼は身体の使い方は頭とセキツイの関係に大きく影響してくるのでは?という発見をします。
その発見がアレクサンダー・テクニークです。
ATを使うってどういうこと?
ATは使うものです。
ATを使いながら自分がやりたいこと(楽器演奏でも、ダンスでも日常動作でも何でもOKです)をやると必要なだけ力が入り、不必要な力を入れずに行うことが出来ます。
そうすることで、やりたいことがやりやすくなったり、やりたいことの質が上がります。
なぜそのようなことができるのでしょうか?
それは頭と脊椎のバランスの関係がポイントとなってきます。
私たち人間は脊椎動物です。脊椎動物は頭をキュッと押し下げることで敵から命を守るなど、危険を回避しようとします。
そうするとどうなるのでしょうか?
身体を固めることになり、動きづらくなります。逆に頭と脊椎の関係が良好な状態、脊椎の1番上に頭がバランスよくいる状態だと私たちの身体の動きはとてもスムーズになり、心も身体も動きやすくなります。
この頭と脊椎のバランスの関係をよくすることを「ATを使う」と言います。
なので「ATは呼吸法でしょ?」と言われると
ちょっと違う気がします。
ただ、ATを使うことで呼吸が楽にできるようになることはあるので、その部分だけで「呼吸法」とおっしゃったのかな?と思います。
「姿勢が良くなるんでしょ?」と言われると
そもそもの「良い姿勢」という定義がどのようなものか?人によって違うかもしれないので何とも言えませんが、必要な力だけ入れて、不必要な力を抜くことで、人間が本来デザインされた姿で立ったり、何かすることができます。結果として「姿勢が良くなる」と思われるかもしれません。
「リラックスして演奏するんでしょ?」とか「脱力法でしょ?」と言われると
これも、リラックスや脱力がどのような状態を示しているのか?によるので、何とも言えません。
自宅のソファでゴロンと横になっている状態がリラックス(脱力)としたら、そんな状態で演奏できませんよね?
でも、リラックス(脱力)した時も頭と脊椎の状態は良好な状態だと思うので、そこだけ見たら同じような状態かもしれません。また、不必要な力を抜くという意味でしたらリラックス(脱力)と言えるかもしれません。
ATを使ってみよう
実際にATを使ってやりたいことをやってみましょう。(やりたいことは何でもいいですよ。)
ATを使うってなにをするのか?というと
脊椎の1番上で頭がバランスよく上にいてね。と自分の頭の1番高いところに軽くお願いしてやりたいうことをやるだけです。
簡単でしょ?
お願いは、軽くかる~くお願いするだけで大丈夫です。かる~くお願いするだけで身体はそのように動きますから。
ただ、ここで気を付けないといけないことが1つあります。
「ATを使おう」と思ってATが使える時間は残念ながらとても短いです。
ATの有効期限はとても短いのです。
なぜか?というと私たちは「ATを使ってやる」という新しい方法にはすぐにはなじめず、一瞬でも気が抜けると慣れ親しんだ今までのやり方(ATを使っていない状態)に戻ってしまうからです。
では、どうしたらいいのでしょう?
何度も何度も思うのです。「毎瞬毎瞬」思うと言っても過言ではありません。
ATを使って(頭と脊椎が良好な状態でいることをお願いして)立つ
ATを使って(頭と脊椎が良好な状態でいることをお願いして)マレットを持つ
ATを使って(頭と脊椎が良好な状態でいることをお願いして)楽譜を見る
ATを使って(頭と脊椎が良好な状態でいることをお願いして)楽器を見る
ATを使って(頭と脊椎が良好な状態でいることをお願いして)構える
といった具合にATを使っていくのです。
「そんなにイチイチ思うのは無理!!」という声が聞こえてきそうですね。
これは慣れです。
自動車を運転する人の中に、シートに座っていきなりアクセルを踏む人はいませんよね?
シートに座り
シートベルトを着けて
ハンドルに手をかけて
ブレーキペダルを踏んで
エンジンをかけて
フットブレーキ(サイドブレーキ)を解除し
シフトレバーをドライブに入れて
ブレーキペダルを外し
アクセルを踏む
という一つ一つの動作を半ば無意識にやっているのではないでしょうか?
でも、自動車学校に通っていた時には一つ一つの動作を確認しながら、意識的にやっていましたよね?
意識的にATを使う頻度を上げていくと「知らず知らずにATを使っている!」というレベルまで行きますよ!!
ATのメリットは?
ATを使うとどんなメリットがあるのでしょう?
繰り返しになりますがATを使いながら自分がやりたいこと(楽器演奏でも、ダンスでも日常動作でも何でもOKです)をやると必要なだけ力が入り、不必要な力を入れずに行うことが出来ます。そうすることで、やりたいことがやりやすくなったり、やりたいことの質が上がります。
必要な力だけ入れて行うことになるので、最小限の力で動くことができます。省エネですね!自分自身のエコドライブです!!なので、疲れにくくなります。
現在、ATはダンス、演劇、音楽、スポーツ選手、ヨガ、介護、長距離運転手などなど、様々な現場で使われています。(私が一緒に学んできた仲間も様々な職種の方がいらっしゃいました。)また、大学で取り上げているところもあります。
私のレッスンで生徒さんがどんな風に変化していったのか?
また、私自身がATを使っていてよかったことなどをこのHPでご紹介していきます。