pをクリアな音で演奏したい|【アレクサンダー・テクニーク、マリンバ】

浜松在住マリンバ奏者、アレクサンダーテクニーク教師(実習中)の間瀬早綾香です。

マリンバを演奏する高校生のレッスンでのことです。
「pで演奏するときに音がぼやけてしまう。クリアな音にしたい。」とのことでした。

聞かせてもらうと、確かにぼんやりした音で遠くに届く音ではありませんでした。

原因を探る時に役立つ4つのM

何か問題を抱えているとき、状況を変えたいと思っているときには多方面から原因を考えてみる必要があります。
考えるときに4つのMがどうなっているのか?4Mの何を変えられるか?考えることが大切になってきます。4Mとは?

Man 人
Machine 機械
Material 材料
Method 方法

音楽においてはMaterialのMはMusic(楽譜)に置き換えられるかもしれません。

今回の場合、
Man→誰かに交代してもらうことはできません。
Macine→機械、すなわち楽器を変えることもできません。
Music→楽譜を変えるわけにもいきません。
Method→方法を変えることはできます!

何をどう変えていくのか?明確にする

Methodである方法を変えていきたいと思いました。
そこで私が提案したことは「音を出す場所、つまりマレットと鍵盤が当たる場所を意識する」ということです。
マリンバという楽器はマレットと鍵盤が当たることで音が鳴ります。その音を変えるために何をしたらいいでしょうか?

・マレットが鍵盤にあたる方法を変える
・マレット自体を変える


といったところで音が変わってくるでしょうか?

その生徒さんは何組もマレットを持っている分けてはなかったので、今回はマレットを変える、ということは考えていません。「マレットを鍵盤にあてる方法」について考えていこうと思いました。


鍵盤は平面です。でも、マレットは球体です。(当たり前ですよね・・・。)
平面と球体が出会う面積はとても小さいはずです。


しかも、出会う時の力が弱く(p)、出会う時の時間が短い(テンポが速い)という条件だったらなおのこと出会う時の面積は小さくなります。

その出会っているときの面積を思って演奏するということを提案しました。

アレクサンダー・テクニークの私の師でもあるスーパーティーチャーのキャシー・マデン先生は「リーディングエッジ」を意識するということをおっしゃいます。「リーディングエッジ」とは「動きの先端」すなわち、自分が動かしている一番先端部分のことです。

マリンバの私の師である故石田まり子先生もよく「鍵盤とマレットの当たる点を意識して」とおっしゃってました。

生徒さんに自分の腕の延長線上にあるマレットの先端部分のさらに鍵盤と瞬間的に出会う点の部分を意識してもらったら、輪郭のはっきりしたクリアな音が出せました。

まずはどんな音が出したいのか?という具体的な望み、その望みに近づくためには何を変えられるのか?を一つ一つ考えていき、方法を探っていくことが大切になってくると思います。