脳への命令は「No」にしないで!

浜松市在住のマリンバ奏者、間瀬早綾香です。現在アレクサンダー・テクニークの教師の実習中です。

ある日、中学生の娘が私に話してくれた出来事です。
中学校の先生が「絶対に〇〇しないでね!」とおっしゃっていたそうですが、クラスの男子がふざけてわざと先生が禁止したことをしてしまったとのこと。それを見て他の男子が「しないで!って言われたらしたくなるよ」とぼそっと言っていたそうです。

楽譜の書き込み、どうしてますか?

レッスンで先生に注意されたとき、練習をしているときに「ここは、今のように弾きたくないんだよね。」と思い、楽譜に自分への注意書きが「〇〇しないで!」と書いてしまうことってありませんか?

私自身も以前、練習したことがある曲をもう一度演奏しようと思い、以前使っていた楽譜を出してきました。そこに書いてあった書き込みが「前の雰囲気を持ち込まない」と書いてありました。
時間が経って見直してみると、「持ち込まないで、それでどうするの??」と思ってしまいました(笑)。

その時は分かっていたのでしょうが、指示が明確でないので後から見ると「どのようにしたいのか?」が明確でないのでわかりづらいメモとなってしまいました。

自分に対してもそうなのですから、これが人に対してだったら、もっとわかりづらく、伝わりにくいですよね?

脳が理解しやすい指示の仕方

人に対してのアドバイス、指示も同じことが言えます。「~しないで!」と言われ「じゃあどうしたらいいの?」と何をしたらいいのかが明確ではなりません。(「そこを自分で考えて動きなさい」という意図があるのかもしれませんが)

私たちの脳は「~しないで」という否定形の指示は理解しづらいそうです。

例えば、
「ピンク色のゾウを思い浮かべないでくださいね。ピンク色のゾウなんて絶対に思い浮かべないでくださいね!」
と言ったらどうでしょう??

思わず思い浮かべてしまいませんか?
ついついやってほしくないことをしているとそのまま「~しないで」と口に出したくなってしまいます。しかし、「~しないで」という言葉の裏には必ず「~して」という意図があるはずです。そんな時に「じゃあ、どうなってほしいんだろう?」「自分の望むのはなんだろう?」ということを考えて言葉を「~しないで」から「~して」という形に変換できるといいですね!

例えばこんな感じで!
・弱くしないで→音を持続させて
・走らないで→テンポを保って
・音を外さないで→音を正確に当てて

「~しないで」という形と「~して」という形、どちらが伝わりやすいでしょう?
使えそうだったら試してみてくださいね!

アレクサンダー・テクニークのレッスンは日常生活の動きについて、演奏中の動きについて、思考についてのレッスンです。気になる方は是非お問い合わせください。