アレクサンダー・テクニークの実習生レッスンの様子を前回お伝えしました。(アレクサンダー・テクニークのレッスン)
今回は続きです。
生徒さんはマリンバを演奏される方なので、マリンバを演奏しているところも見せていただきました。
これはマリンバの技術的、音楽的なレッスンというものではなく、「マリンバを演奏するという動き」を私が見る。というものです。なので、アレクサンダー・テクニークのレッスンの時は、音楽的なアドバイスはほとんどしません。ご希望の場合はもちろんしますが、この生徒さんはマリンバはほかの先生に習っていらっしゃるので、私が音楽的なアドバイスをする必要はないですからね。
生徒さんの望みを聞く
レッスンで一番大事なのは生徒さんの望みです。
望みというものは面白いもので、望みの奥に隠れている望みは人それぞれ違いますし、口に出した望みと実際の望みとちょっとずれていることもあります。
どういうことか?というと
「痩せたい」という望みを持っている人がいたとします。
「痩せたい」という望みの奥に隠れている望みは??
「痩せて、きれいになって意中の人に告白したい」
かもしれませんし
「痩せて、むかし履いていたスカートを履けるようにしたい」
かもしれませんし、またまた
「お医者さんから太りすぎと忠告されたため、痩せて健康になりたい」
かもしれませんよね??
同じ「痩せたい」でも奥に隠れている望みは全然違ってきますよね?
そこを生徒さんはどんな望みを持っているのか?情報収集をして聞き取るのが私の仕事です。
生徒さんの望みは?
「何か悩んでいることや困っていること、こうなりたいと思っていることはありますか?」と生徒さんに聞いてみると
「マリンバを弾いているときに脚が使えないから、脚を使えるようになりたいんです」とおっしゃいました。
生徒さんの動きを観察してみると、私には「脚を動かせるようになりたい」ではなくて、「自分が当てたいと思う鍵盤にマレットを当てたい」と思っているように見えました。
生徒さんとしては
自分が当てたいと思う鍵盤にマレットが当たらない
↓
レッスンで「脚が動かない」と指摘されたことがある
↓
脚を使えば当たるようになる
↓
脚を使えるようになりたい
これはこれで正しいことです。確かに脚を使って大きく移動して自分が当てたいと思う鍵盤にマレットを当てることはできます。
もちろん、脚を使うということにフォーカスしてレッスンすることもできますが、私は腕を長く使うということにフォーカスすることにしました。
腕はどこから始まっているの?
マレットはいったいどのくらいの長さなんだろう?ということを再確認していただき、腕が始まっているところを確認していただきました。
今、この記事を読んでくださっているあなた!腕が始まっているところってどこでしょう?指をさしてみてください。
肩を指さした方。リカちゃん人形は肩から腕が始めっていますよね?
でも、私たちヒトはリカちゃん人形とは違うんです。
腕の前側は鎖骨から
腕の後ろ側は肩甲骨から始まっているんです。
生徒さんにそのことを再確認していただき、マリンバを弾いてもらいました。
すると…
「あ!脚を使わなくても届く!」と。
脚を使うのも選択肢の一つですし、腕を長く使うというのも選択肢の一つです。
選択肢を増やして生徒さんの可能性を広げていくというのがアレクサンダー・テクニークのレッスンとなります。
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