浜松在住のマリンバ奏者、間瀬早綾香です。
私の娘は市内の合唱団に所属しています。コンサートで合唱とパーカッションの曲(木下牧子作曲 「同声女声合唱とパーカッションの為の4つの舞曲」)があり、合唱団の子がすずとタンバリンを演奏しました。その指導のお手伝いをしたときに感じたこと、気づいたことなどを綴ります。
合唱曲に打楽器が入ることは結構あります。打楽器奏者にお願いするほどの予算はないし、この程度のものなら自分たちで出来るのでは?と思っている合唱団の方は多いのでは?と思います。そんな合唱団の方のお役に立てたら嬉しいです。
打楽器は誰でもできる?
「打楽器はだれでもできる」
・・・。
確かにそうです。誰にでもできます。
打てば何かしら音が出る楽器ですから、誰にでも音を鳴らすことはできます。でも、音が鳴れば何でもいいのかしら???
歌だって、声を出せば何でもいいですか??そうじゃないですよね?
合唱が良くても、打楽器が台無しにしていることはよくあります。せっかく練習を重ねてきた合唱を際立たせるのも、台無しにするのも打楽器次第といっても過言ではありません。
楽器について
合唱でよく使われるのはタンバリン、トライアングル、カスタネット、すず、あたりでしょうか?
楽器はプロ仕様の何万円もする楽器から100円ショップで売っているようなものまでピンからキリまであります。
1回の本番の為に何万もする楽器を用意するのは躊躇われると思いますし、その必要はないと思います。市民吹奏楽団や市民オーケストラに貸してもらえるか?交渉してみるのも良いと思います。
その曲に合った音色とは?
以前、作曲家の方とお話しした時のことです。彼女が編曲した作品でピアニストがタンバリンを演奏するという指示があるものがありました。ピアニストはオケや吹奏楽で使うような本格的なタンバリンを用意していました。しかし、作曲家の彼女はそのタンバリンではなく、子ども用のタンバリンを使う様に変更しました。
タンバリンを演奏するのは打楽器奏者ではなく、ピアニストという点を考慮し、敢えて子ども用と選択したのでしょうし、また音色も子ども用のタンバリンの軽くかわいらしい音色が欲しかったのでしょう。
このように「作曲家がどのような音色を求めているのか?」ということを考えなくてはなりませんし(作曲家に聞けるとベストですね)演奏する自分たちも「どのような音色が合うのか?」というのを考えることが大切になってきます。
「どのような音が欲しいか?」が決まったら楽器を決めます。先ほど述べましたが、楽器の値段、種類、音色はたくさんあります。とにかく試してみるのが一番良いと思います。
奏法について
詳しい奏法についてはレッスンを受けるのが的確で、一番良いと思います。合唱の指導をされる先生がレッスンを受けるのも良いと思います。
レッスンを受けなくてもYouTubeで動画を検索して研究するのも良いと思います。奏法を説明した動画でなくても、オーケストラや吹奏楽の動画を見てどのように打楽器を演奏しているのか?観察するのも良いと思います。
タンバリンもカスタネットもトライアングルもすずも右手で持っても左手で持っても構いません。途中で持ち替えても大丈夫です。
とにかく鳴ればいいのです(笑)。
奏法よりも「どのような音が欲しいのか?」を明確にして、一つ一つの音に責任を持って望みの音に近づけてほしいと思います。
楽器を打つ場所は?
楽器を打つ場所、これもどこでも大丈夫です。
むしろ打つ場所をあれこれ変えてみてください。打つ場所を変えるとどんな楽器でも音が変わるのに気が付きますか?
自分の中にある「こうすべき!」という考えをちょっと横に置いておきましょうか?
「こうすべき!」と思っていることって意外と多いと思います。
・タンバリンの穴は指を入れるべき
・すずは握った手をグーでたたいて音を出すべき
・トライアングルはこの場所を叩くべき
いかがでしょう??
こんな風に「こうすべき!」と考えていらっしゃったりしませんか?
→タンバリンの穴はスタンドに固定するための穴であり、指を入れるための穴ではありません。
打つときにグーで打ってみたらいかがでしょう?パーだったら??指先だけ使ったら?
色んなバリエーションで打ってみるとますよ。音色が変わりますよ。
→すずは握った手をグーで叩いても良いですが、振っても良いですし、すずを直接叩いて音を出しても構いません。
fの時、pの時と音の鳴らし方を変えてみてはいかがでしょう?
→トライアングルは三辺のどの辺を打っても大丈夫です。
辺によって、バチが当たるスピードが変わることによって、音が変化するのでその音の違いを楽しんでください。
演奏上の注意
カスタネット、トライアングルは大丈夫だと思いますが、タンバリンやすずは打ってから音が出るまでに少しだけ時間がかかります。この時差は演奏上とても大きなズレとして聴こえます。
なので、タンバリンやすずは自分が思っているよりも早め早めに演奏するのが鉄則になってきます。
演奏する(立つ)場所について
歌う人が打楽器を演奏するのですから、その人のパートの場所で演奏しても良いでしょうし、打楽器を演奏する場所を決めて演奏しても良いと思います。それぞれの合唱団の都合のいい場所で構わないと思います。
ただ、立つ場所が指揮者より前になってしまうのは避けてくださいね。譜面台を置く時には自分、譜面台、指揮者が一直線上になるように譜面台を置いて立ってくださいね。また、ソリストではないので正面を向く必要はないです。
最後にちょっとしたお願い
合唱団の舞台上での配置、舞台の転換の都合などいろいろあると思います。
が・・・。
小さな打楽器でも楽器は楽器です。大切に扱ってほしいです。どこかに置く時には床に直置きするのではなく、椅子の上などに置いてもらいたいです。もし、床に置かなくてはいけない時には布を1枚敷くなどしてあげてくださいね。どんな楽器でも愛情を持って接してほしいと思いますし、愛情を持って扱ってもらえると嬉しいです。
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