鷽替神事から学ぶ本番の時の緊張対策


浜松在住マリンバ・打楽器奏者でアレクサンダーテクニーク教師の実習中の間瀬早綾香です。
鷽替(うそかえ)神事ってご存じですか?

私は2年ほど前に小川糸さんの「喋々喃々」という小説で「鷽替神事」を知りました。
千葉神社で鷽替神事が行われているということを知り、先日行ってきました。

鷽替神事

千葉神社の画像をお借りしました。5種類の大きさがあり、年ごとにうそを大きくしていくそうです。


主に菅原道真を祭神とする神社(天満宮)において行われる特殊神事で、木彫りの鷽鳥(うそどり)をもちかえることにより、身に降りかかった一年間の凶事を「嘘」と考え、天神様の「誠」に替えていただき、正しい幸運を招くという意味の神事です。

「凶事」を嘘と考えて「誠」に替えるって、ちょっと都合良すぎないかしら?とちょっと思ったりもした私です。

「起きてしまった出来事」を無かったことにすることはできませんが、今の自分の心の中に「その時の感情」がまだあった場合、それを変えることはできるかな。と思います。

いつまでもクヨクヨしていないで、前を向いて歩きなさい。という神様からのメッセージなのかな?と私はそんな風に受け取りました。(注:私の個人的な勝手な解釈です)

演奏会の緊張に置き換えてみると?

「起きた(起きている)出来事」と「自分の中の感情」とは別のものです。当たり前と言えば当たり前のことです。

演奏会の本番の時も、

舞台の上にいる(という出来事、状況)
心臓がドキドキする(という身体の反応)
失敗したらどうしよう(という自分の考えというか妄想?)

これらを一つ一つ整理していくと

舞台の上にいる という状況は舞台を降りない限り、変えることはできません
心臓がドキドキする これも心臓を止めるわけにはいかないので、変えられませんよね。
失敗したらどうしよう これはどうですか?失敗するかもしれませんが、失敗するとは限りませんよね?考えだけは自分の意志によるものなので変えることができると思いませんか?

自分を怖がらせているものは何?


この3つの中で本番を怖いものにしているのはどれでしょう?

もちろん「失敗したらどうしよう」という考えですね。

「舞台の上に立つ」=「失敗する」ではありませんし、
「心臓がドキドキする」=「失敗する」 でもありません。

ちょっとしたアイディア


「ライトを浴びて、心臓がドキドキしてきたから、失敗したらどうしよう?」という考えが横切ってしまったら、その考えを打ち消すのではなく「失敗したらどうしよう?」の後に「でも、しないかもしれないよね?」と付け足してみたらいかがでしょうか?

1秒先だとしても未来のことは分からないですからね。

「起きている出来事(事実)」「身体の反応」「自分の感情」の3つを切り離して捉えてみてはいかがでしょう?
使えそうなアイディアだったら使ってみてくださいね!

アレクサンダー・テクニークのレッスンは日常生活の動きについて、演奏中の動きについて、思考についてのレッスンです。気になる方は是非お問い合わせください。