浜松在住のマリンバ奏者、間瀬早綾香です。
今回は4本マレットを力まずに持てる方法について丁寧にご説明しようと思います。
4本マレットの持ち方に興味がある方は、
「4本バチを持って演奏するのかっこいい!」と憧れている方。
「吹奏楽で鍵盤打楽器をやってるけど、4本バチってどうしたらいいの?」と自己流にやっている方。
マリンバのご指導をされている方。
色々な方がいらっしゃると思います。参考にしていただけたら嬉しいです。
マレットの持ち方は何種類か持ち方がありますが、多くの人が使っているトラディショナルグリップの持ち方をご説明します。
【心構え】
まず、4本マレットを持つときには心構えが大切になってきます。
どんな心構えか?というと…。
「落としたら拾えばいいや。」
という気楽な気持ちです。
マレットは落としただけでは折れません。楽器が傷つくこともほとんどありません。
演奏中、落として困るようなときは予備のマレットを用意しておけばいいだけのことです。
「落としたら拾えばいいや。」
コレ、大事です。そう思うだけで、ふっと力が抜けるでしょ?
【マレットを置く】
マレットを置いてみます。トラディショナルグリップの場合は内声のマレットを上にして交差させて置きます。
マレットのどのくらいの場所を交差させたらいいのか?はマレットにより長さが違いますし、曲にもよりますし、自分にちょうどいい場所(その曲にちょうどいい場所)を探してみるといいと思います。
【手の特徴を知る】
手、指にはそれぞれ得意な仕事があります。
それぞれの特徴、得意な仕事を知っておくと必要なところに必要なだけの力を入れることができて、余計な力を入れることがなくなります。
《かわいい指は力持ち》
5本の指の中で最もパワーがある指ってどの指だと思いますか?
実は「赤ちゃん指」とも言われる「小指」です!
以前、テレビで面白い実験をしていました。
5本の指全てを使って握力を測った時。
小指を添えずに測った時。
この2つを比べると小指を添えないほうが握力が12キロも落ちたそうです。
重たい楽器を運ぶ時にはぜひ小指のことを意識してみてくださいね。(もちろん、小指だけで重いものを持つのはお勧めできませんが…。)
《マレットを広げやすい方向があります》
4本マレットを持った時、ずっと同じ間隔で演奏できるとは限りません。マレットの幅を広げたり、狭めたりする必要があるときがあります。そんなときに手の構造を知っておくと良いですよ。
肘から手首まで(前腕)は尺骨と橈骨という2本の骨からできています。また、手はたくさんの骨からできています。腕と手をつないでいる手首の関節は橈骨(親指側の骨)と手の骨が連結していて、尺骨側(小指側の骨)では連結していません。
小指側にすきまがあるでしょ?
だから?どういうこと?というと。
手首を傾ける時。親指側と小指側と比較した場合、親指側より小指側の方がよりたくさん傾けられます。
手の構造から考えると外声のマレットの方がより広げられる。ということです。
【さあ!持ってみましょう!】
《小指薬指は締めたり緩めたり、自由自在なフックです》
マレットを持つ時には小指と薬指はマレットが交差しているところを「フック」のように引っかけます。
「持つ」だけ時には、ただ引っかけるだけで構いません。
え?!と思われるかもしれません。
マレットの幅を広げたり狭めたりする時。演奏中、パワーが必要な時には自分で「力を入れなきゃ!」と思わなくても、小指と薬指が締めたり緩めたり、必要な力を入れてくれます。
小指と薬指をフックの様にマレットをで引っかけて締めてみたり、緩めてみたり、と遊んでみると良いと思います。
握りすぎて力が入りすぎてしまう方には特におススメです。
《器用にコントロール、中指、人差し指、親指》
中指と人差し指と親指。この3本の指で何をするのか?というとマレットのコントロールをします。
この3本の指は普段、生活をしていく上でどんな場面で活躍していると思いますか?
食事をするときのお箸を持つ、鉛筆を持つ、ハサミを持つ。これらの動きのコントロールはこの3本の指で行っています。
でしょ?
マレットも同じです。
中指と人差し指で外声のマレットをつまんで。親指は内声のマレットに添えることでマレットのコントロールをしています。
「お箸やはさみと同じ」と思うと簡単そうに思いませんか?コツをつかめば簡単です。
【斜めになってしまう人】
今の手順でマレットを持ってみて、手の甲が上を向いてマレットを持てない。
手の向きが斜めになってしまう…。という方。
手の向きが斜めになってしまうとまっすぐマレットをおろすことができません。
↓
ミスタッチが増えてしまいます。
え…。
心配しなくても大丈夫です!
ちょっと順番を変えてみましょう。
①人差し指、中指からマレットをつまんでから
②小指、薬指のフックを引っかけて、
③親指を添える。
という順番で持ってみてはいかがでしょうか?
手の甲が上を向くのではないでしょうか??
人差し指と中指でマレットを挟んで遊んでみるのも一つの練習になると思います。
【道具を賢く使うのも一つの手段】
「4本マレットを持つ目的」は「演奏するため」であり、「持つ」ということが目的ではありません。
(当たり前ですが…。)
なので、「持つ」ということに関してはちょっと楽をしても良いかな?と私は思っています。
初心者さんやマレットを握る力が足りない方はマレットが交差するところを輪ゴムでゆるく縛ってしまう。
というのもいいと思います。(きつく縛りすぎるとマレットを動かしづらくなってしまうことがあるのでご注意を。)
手に汗をかいてしまい、滑ってしまうという方はテニスのグリップテープをマレットに巻いてしまいうのもおすすめです。
私自身、普段あまり巻かないのですが、クロスするところだけにグリップテープを半分に細く切って巻き、マスキングテープで止めているマレットもあります。
テープによって厚さも質感も違うのでご自分に合う方法を色々試してみてください。
【まとめ】
4本マレットを持つ時、一番大事なのは最初に書きましたように「落ちたら拾えばいいや。」という気軽な気持ちです。気軽な気持ちで、まずは「持つ」という練習から始めてみてください。持つだけならいつでもどこでもできますから!
指や手の動きや役割を理解してマレットを持つと、余計な力が入らず持てるのではないかな?と思います。参考になると嬉しいです。