【目と腕の使い方】上にある物を取る|アレクサンダー・テクニーク

浜松在住マリンバ・打楽器奏者でアレクサンダーテクニーク教師の実習中の間瀬早綾香です。

アレクサンダー・テクニークのレッスンでは演奏するときの身体の動きについてのレッスンをしますが、ときには日常の身体の動きについてレッスンをすることがあります。

「上にある物を取る」レッスン

先日は「上にある物を取る」という動作についてレッスンしました。

生徒さんはお仕事で上にある物を取るときにやりづらさを感じていたようです。
見せてもらうと、上を向く→腕を伸ばす→物を取るという動きをしていらっしゃいました。 

やりづらさの原因は?

私がまず気になったのは上を向くという動作でした。

突然ですが、上を向くのに必要な身体の部位はどこでしょう??(笑)

目ですね。

目をどうやって使うか?というのが一つのポイントになってくると思いました。
生徒さんは見ようとする物に対し、頭も一緒に大きく動かしていました。

どうなっていたのか?というと頭ごと一緒に大きく動かすことで首の後ろの部分をキュッと押し固めてしまっていました。

するとどうなるのか?というと、頭とセキツイが出会っているところは身体の動きのセンサーのようなものがあるところ、と考えてもよい場所です。アレクサンダー・テクニークの基本ですが、頭とセキツイがバランスの良い状態でいられたら身体全体は動かしやすくなります。キュッと押し固めていたら身体は動かしづらくなります。

生徒さんはこの時、頭も一緒に大きく動かすことにより、首の後ろをキュッと押し固められて動きづらくなっていました。

私は「目だけ動かして上を見てみてください」と提案しました。(この時に気を付けなくてはいけないことは「頭を動かさないでください」ということではありません。必要な角度は動かす必要がありますから、必要最低限の動きで動いてほしかったのです。)

目の構造


目の構造を考えたことはありますか?
私たちの眼球はレンズの役割をしています。光がレンズから入り、脳の視覚野というところで「見て」います。眼球で「見て」いるのではなく、「脳」で見ているのです。

今、私の文章を読んでいるのも「脳」で見ているんですよ。そう思うと目の使い方が変わってきませんか?

生徒さんには「脳で見ている」ということを意識していただき、高いところを見てもらいました。すると首の後ろのキュッとした押し下げがなくなり、アレクサンダー・テクニークを使って、背中が長く広い状態でいられるようになりました。

腕の使い方


「上にあるものを取る」なので、腕を使いますよね?

腕を使うときに指先からリードし、腕を伸ばしていくということを意識してもらいながら腕を伸ばしてもらいました。

すると「やりやすい!」と!!!

ほんの少しの考え方、使い方で身体の動きが大きく変わり、動作がやりやすくなるのを実感したレッスンでした。


使えそうなアイディアだったら使ってみてくださいね!

アレクサンダー・テクニークのレッスンは日常生活の動きについて、演奏中の動きについて、思考についてのレッスンです。気になる方は是非お問い合わせください。