マリンバ奏者の間瀬早綾香です。ただ今、アレクサンダー・テクニークの教師になるために実習中です。
現在、音大卒業したばかりの若いトランペット奏者の方とレッスンをしている最中です。彼女が「演奏するまでにどう準備するかが大事だと思う」とおっしゃっていました。(ほんと、その通りだと思います!!!)
そんなレッスンの時に話題にしたことをシェアします。
ご招待
アレクサンダー・テクニークのスーパーティーチャーであるキャシー・マデン先生がおっしゃることですが、誰かに対して何かするとき(演奏はもちろんのことと、話しをするのもそうです)大事なことの一つに「ご招待する」ということがあります。
ここで、ちょっと想像していただきたいのですが、お友達の家に遊びに行くという場面でどんなふうにご招待されたらうれしいですか??
笑顔で
「ぜひ遊びにきてね!!」
とご招待されるのと
そっけない態度で
「来てね」
とご招待されるのと
どちらがいいですか??
多くの方が前者を選ぶと思います。
お客様をご招待する心の準備
時には急なお客様を迎え入れなくてはいけないときだってあります。お掃除が十分にできていないときだって。一度片付けたのに、その後小さな子が散らかしてくれるかもしれないですし。
「ああ、散らかっていてごめんね。この辺は気にしないで。」と今のある姿を受け入れて、笑顔でいるのと
「ああ、片付けたのに、子供がまた散らかして!!もう!」と今の状況を受け入れられず、感情に任せてイライラしながら対応されるのと
どちらがいいでしょうか?
お客様をご招待する物理的な準備
では、シンデレラのお城と七人の小人の小さいおうち、どちらに招かれたいですか?
これはもしかしたら招かれる側、すなわちお客さん側の準備が必要だったり、好みがあるかもしれませんね。
でも、埃っぽくて散らかっていて、いつの汚れかわからないような汚れがこびりついているシンデレラのお城と
小さなお部屋だけどお掃除が行き届いてきれいに片付いて温かいお料理が用意されている七人の小人のおうちでは
どちらに招かれたいですか?
逆に、きれいにお掃除が行き届いていて、素敵な調度品でいっぱいで、すてきなスウィーツが用意されているシンデレラのお城と
汚くて目のやり場も困ってしまうような七人の小人のおうちでは
どちらがいいでしょうか?
演奏する立場に置き換えてみる
これまでのことを「演奏する」ということに置き換えてみたらどうでしょう?
演奏するには準備(練習)が大事になってきますよね。(お客さんをご招待するときのお掃除やお料理などのおもてなし)
少しずつ演奏が上達することはあっても一夜にして三流の演奏家が一流の演奏家になることはありません。
でも、その人その人の好さがあると思います。(シンデレラのお城にも小人のおうちもそれぞれの良さがあります。)
今の自分のいる場所、今の自分の演奏を受け止めて、たとえ練習不足でも今の精一杯の自分の演奏をお届けすればいいと思います。(部屋が散らかっていても仕方ないです。)
そして何より、「私の演奏を聴きにいらしてくれてありがとう!今の私の演奏をどうぞ楽しんで!」というお客さんをご招待し、一緒に楽しむ気持ちが大事になってくると思います。(お客さんを我が家にご招待)
本番前の準備に少しでもお役に立てたらうれしいです。